日日是好日

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弄花香衣満

2021.04.08

みちしるべカレンダー令和三年四月の書です。

みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。

『弄花香衣満』

みちしるべカレンダー(黄檗宗青年僧会発行)令和三年四月の書です。

【書き下し】花を弄(ろう)せば香(かおり)衣に満つ

この句は、「虚堂録(きどうろく)」によると、詩人于良史(うりょうし)の「春山夜月(しゅんざんやげつ)」という詩の一句だそうです。この句には対句があり、「掬水月在手(水を掬(きく)すれば月手に在り)」が前にきます。水をすくえば天空の月が掌中に映る様子を現した句です。

さて、今月の書の『弄(ろう)』という字ですが、「弄(もてあそ)ぶ」とも読みます。花を手に取り自身の周りに香りが立ち、いつの間にか衣類にも香が薫じられる様子を現した句です。人間も同じように、良い人・良い環境に身を置くことで、いつの間にかよくなっていることを意味しています。4月に入り、新生活を向かえた方も多いと思います。良い影響を与えてくれる人・良い環境に巡り合えるよう自身からも行動していきたいものです。自身の行動を変えれば、良い影響を与えてくれる人・良い環境が自然と寄ってくるかもしれません。ある意味、この句は「正しく生きなさい」と諭されているようにも感じます。

話は変わりますが、本日4月8日はお釈迦様が生まれた日です。本山萬福寺では「降誕会(ごうたんえ)」という法要が営まれています。寺院で甘茶を柄杓で掬い器の中央に安置されたお釈迦様の像に掛けた記憶がある方がおられるとは思いますが、それも降誕会の一つの行事です。この甘茶を掛けるのは、お釈迦様がお生まれになった時の逸話によるものです。お釈迦様が生まれた時に甘露の雨が降り、東西南北七歩ずつ歩まれ、右手は天を左手は地を指し「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言われました。その話からお釈迦様の像に甘茶を掛ける行事があります。また、この「天上天下唯我独尊」という言葉ですが、過去・現在・未来のどこを探しても自分(我)という存在は独り(ひとり)しかおらず尊いものでありますよと言われたものです。自身が失敗などをして落ち込むことがあっても、絶対に自身をしょうもない人間だとは思ってはいけません。この全宇宙に一人しかいない自分というのは尊い存在です。また、自身だけでなく相対する全ての人も同じように一人の尊い存在です。生まれたての赤子も同じです。自分のことも他人のことも敬う気持ちを忘れず生きていきたいものです。

水子供養の数珠掛け地蔵尊の前に供えています鉢植えの藤の木です。多くの花がついています。

最後の写真は、鉢植えで育てている藤の木です。多くの花をつけています。一時は枯れかけていた木だったのですが、今年は無事に花をつけてくれました。花がついている間は、水子供養数珠掛け地蔵尊前に置いています。お参りの際に覗いて頂けたら幸いです。綺麗な紫色をつけています。

水子供養永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683