日日是好日

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生死事大 無常迅速

2020.08.17

黄檗カレンダー七・八月の書です。

黄檗カレンダーは黄檗宗青年僧会の発行物です。

『生死事大 無常迅速』

黄檗宗青年僧会カレンダーの書。令和二年七・八月分です。

【読み】生死事大 無常迅速(しょうじじだい むじょうじんそく)

最初の『生死事大』ですが、生きる・死ぬは一大事であるということです。生とは何か、死とは何か。いかに生き、いかに死を迎えるかという仏教徒にとっての根源的な命題です。

『無常迅速』は、この世の物事に常(つね)というものは無く、時は直ぐに過ぎ去ってしまうということです。仏陀(ぶっだ:お釈迦様の名前)が説かれた『諸行無常(しょぎょうむじょう)』でも全ての物事は流転し変化し消滅が絶えないことを示されています。

総じて、一度しかない生まれて死ぬこの人生をどのように生き・どのように死を迎えるかが、仏法の根源的な命題です。また、時はまたたく間に過ぎ去ります。その全てが無常ですよ。となります。

 

この『生死事大 無常迅速』は「六祖壇経(ろくそだんぎょう)」に出てくるものです。

禅寺には時を告げる為に打ち鳴らす版(板)が、お堂の前や玄関に掛かっている事が多いです。その板に、この一句を含むお経が書かれています。本山萬福寺では、この版を巡照版(じゅんしょうばん)と呼び境内五カ所のお堂前に掛けています。

巡照版に書かれているお経は、短いものなので紹介します。

  • 謹白大衆
  • 生死事大
  • 無常迅速
  • 各宜醒覚
  • 慎勿放逸
  • 謹んで大衆(修行者)に申し上げます。
  • 生死は事大にして、
  • 無常は迅速なり。
  • 各々、醒覚し、
  • 無為に、時を過ごすことを勿(なか)れ。

本山では開創以来三百五十余年、朝と晩に雲水さん(修行僧)が木槌で巡照版を三打しこのお経を唱えます。起床と開枕(かいちん:消灯のこと)の時を告げるとともに、修行僧への戒めと督励を込めて読まれています。

 

生きる死ぬという大きな問題。諸行無常の世。元には戻らない過ぎ去っていく日。

この禅語は、ほんとうに考えさせられます。

この命題を持ち、禅宗が大切にする“今”をしっかりと生きていかねばと改めて感じさせられました。

この命題は、修行者だけだなく全ての人に与えられているものだと思います。生きていく中での色々なものにヒントを頂き、どのように生きどのように死を迎えるかを考案いただければ幸いです。

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