宝善院の庭『廣化庭(こうかてい)』は、陰と陽の二席に分かれている。
その陰の庭は黒石で敷かれ、中に私の好きな『天輪寺月光(てんりんじがっこう)』という椿がある。花に特徴があり三・四センチの赤い花ですが、咲き始めから目一杯開きます。やぶ椿の中で花が一番小さいそうです。
その横に鞍馬の赤石の蹲(つくばい)があり、その右側に石蕗(つわぶき)・正面にホトトギス。凛とした石蕗と麗しいホトトギス。こんなマッチも良いものです。
石蕗(ツワブキ)は、天に突き抜ける様に真っ直ぐに蕾が五十センチぐらい立ち上がり十日もすれば菊の花に似た黄色の単弁の花が咲きます。ホトトギスは、花の斑点を鳥のホトトギスの模様に例えたものです。ユリ科で宿根草、何とも秋の風情を醸し出している花です。どちらも陰の場所を好み、水はけ水もちのよい土を好みます。石蕗は水を絶やすことなく、ホトトギスは消毒を欠かすと大変です。秋のホトトギス・初冬の石蕗。なかなか良いものです。
『百花春至為誰開(百花春至って誰が為にか開く。)』という禅語があります。
花は誰の為に咲いているのでしょうか。自分の為、あなたの為、そうではなく、ただ単に咲いているのです。子孫を残す為でもありません。ただ単に咲いているのです。そして、その「ただ」と云う二文字も忘れて天真爛漫に。この様な生き方が出来ればと反省する日々です。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
電話 0774-32-4683