日日是好日

日日是好日

日日是好日

お盆を迎えました。

2021.08.13

お盆を迎えましたので、早朝にご本尊様と干支の守本尊八仏墓地(一般墓・永代供養墓樹木葬)・水子供養数珠掛け地蔵尊への回向を行いました。京都では、お盆は8月の13日から16日までとなっています。16日には、大文字で有名な五山の送り火があります。宝善院では、立秋に行った「点灯会(てんとうえ)」で使用した献灯を墓地から参道に並べ、送り火としています。関東の一部などでは7月にお盆を迎える地域もあります。

お盆は『盂蘭盆(うらぼん)』といい、サンスクリット語(梵語)の「ウランバーナ」という言葉を音写したものです。その「ウランバーナ」という言葉は、お釈迦様の十大弟子である目連尊者(もくれんそんじゃ)が神通力(あらゆるものを見通せる力)で見た亡き母の姿からくるものです。目連尊者の母親は、餓鬼道(がきどう)に堕ち、飢えと渇きに苦しみ骨と皮だけになった状態で『逆さ吊り』の刑を受けていました。この『逆さ吊り』を意味するのが、サンスクリット語で「ウランバーナ」といいます。

そんな母親に目連尊者は神通力で食事を届けたのですが、母親の目の前で燃えてしまいます。亡き母を助けるすべが分からず、お釈迦様の元へ尋ねに行かれました。お釈迦様がおっしゃるには、「お母さんは心の優しい方で我が子(目連尊者)の事を何よりも愛していました。その愛が故、他のものに対する貪欲を気付かないうちに重ねた報いで今の世界へ堕ちてしまったのでしょう。そして、あなたも同じように餓鬼道に堕ちた母親だけを助けようとしている。7月15日に夏の修行を終えた僧侶が帰ってくる。その僧侶達に食事を供養し、また餓鬼道に堕ちたすべてのものへ施しをしなさい。その現世での功徳により餓鬼道で苦しむものと母親を救済することができるでしょう。」とのことでした。目連尊者は、お釈迦様の教えをそのまま行いました。無事に母親・また他の苦しむものへ食事が行きわたり救われました。目連尊者は嬉しさのあまり、施餓鬼檀(せがきだん:餓鬼道で苦しむものへのお供え物を置く檀)の周りを我を忘れて踊り喜びました。それが今の「盆踊り」の起源とされています。このお盆、ご自身のご先祖様へのご供養を行うと同時に、すべての命に感謝しご供養頂ければ幸いです。

 【宝善院】門を入ってすぐのところにおられますお地蔵様です。

最後に、お盆参りの時に皆様にお願いしていることを書いておきます。

お寺や神社へお参りされ、手を合わす時にお願い事をされる事があると思います。「○○が叶いますように」や「○○が成功しますように」また、ご自身が大切にされている方(お子さんやご両親など)を想って「○○が良い方向に進みますように」や「病が治りますように」など、一度はされたことがあると思います。私としては、お願い事をすることは悪い事とは思っていません。神様や仏様がその願いを聞き届けて下さるかもしれませんし、願うことによって自分への誓いになったりもするとも感じていてます。ただ、このお盆の時期だけは、苦しいこともたくさんありますが無事に生かされていることに感謝し、その一念を持って手を合わせて頂ければと願っています。16日までお盆は続きます。お墓であったりお仏壇の前で手を合わす機会もあると思います。その際は、どうぞよろしくお願い致します。

 水子供養永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683