日日是好日

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2022.01.28

みちしるべカレンダー一月の書です。

みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。

『喝』

みちしるべカレンダー(黄檗宗青年僧会発行)令和四年一月の書です。

【読み】喝(かつ)

 この言葉を用いられるようになったのは唐代以降のことで、馬祖道一(ばそどういつ)禅師が百丈懐海(ひゃくじょうえかい)禅師に対してが最初といわれています。「臨済の喝 徳山の棒」という言葉があり、臨済禅師が修行者を指導する手段として頻繁に用いたのがこの『喝』、徳山禅師が指導の為に頻繁に用いたのは棒であったことを記しています。臨済宗開祖である臨済禅師の言行をまとめた「臨済録(りんざいろく)」には、『喝』を盛んに用いた様子が記されています。その『喝』には、四つの種類に分けて用いたと臨済禅師は述べておられます。「有る時の一喝は金剛王宝剣(こんごうおうほうけん)の如し」「有る時の一喝は踞地(こじ)金毛の獅子の如し」「有る時の一喝は探竿影草(たんかんようぞう)の如し」「有る時の一喝は一喝の用(ゆう)を作(な)さず」とされ、「臨済四喝(しかつ)」といいます。

「有る時の一喝は金剛王宝剣(こんごうおうほうけん)の如し(有時一喝如金剛王宝剣)」

「金剛王宝剣」はどのような物でも一刀両断ができるとされる剣のことです。ここでの一喝は「金剛王宝剣」のように、こころを苦しめる一切の煩悩妄想をも断ち切るものです。

「有る時の一喝は踞地(こじ)金毛の獅子の如し(有時一喝如踞地金毛獅子)」

「踞地金毛の獅子」は金毛の百獣の王である獅子が、獲物を狙い地にうずくまり身構えていることを意味します。そこには計り知れない威力を秘めています。ここでの一喝は「踞地金毛の獅子」のように、威厳に満ちたものです。

「有る時の一喝は探竿影草(たんかんようぞう)の如し(有時一喝如探竿影草)」

「探竿影草」は草の陰に隠れている魚を竿で探ることで、相手の足下を見るため探りを入れる例えです。ここでの一喝は、修行者に『喝』を放ち、素質であったり真偽をはかるものです。

「有る時の一喝は一喝の用(ゆう)を作(な)さず(有時一喝不作一喝用)」

 自然のままに無念無心でいることを意味する「任運無作(にんうんむさ)」の『喝』、ありのままの作用を意味する「無功用(むくゆう)」の『喝』とも言われます。修行者が修行に修行を重ね、一切のアカが抜けきった境地から放たれる『喝』です。その方の一挙手一投足も『喝』といえます。この『喝』が他の三喝の根源であり、「四喝」の骨子であります。

『喝』について臨済禅師の話を書かせて頂きました。この『喝』ですが、他人にだけ放つものではありません。自分自身へも放つものでもあります。自己を見つめ、自身に一喝をする。新たな年をよいものする為、一年の始まりの禅語に選ばれたように感じます。新年に入り一ヶ月が過ぎようとしています。新年の目標をもう一度見つめ自身に一喝されるのも良いかもしれません。

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