黄檗カレンダー７・８月の書です。

黄檗カレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。

『行雲流水』

 【読み】行雲流水（こううんりゅすい）

雲がなんの執着も持たずに漂い、水が留まることなく流れる様に執着のない自由な心を表現した語です。また、禅の修行僧のことを「雲水（うんすい）」と呼びますが、雲のように風のままに移動し、水のように絶えることなく流れる、禅の修行者の在り方を表したこの禅語からくるものです。

この『行雲流水』の執着のないこころは、生きる中で大切なことではないでしょうか。物事に執着するこころ又は、囚われるこころは、時にご自身の心を苦しめるものに変わっていきます。例えば、「昔の自分は輝いていた」など過去への執着、またお金や恋愛などでもある話です。何かにしがみついたり、離れられない、失いたくないなどの感情からくるものです。この執着する心というものは、強い弱いはありますが人間誰しも自然に持ってしまうものです。執着する心が自身を苦しめる事を知っていれば、何か大きな失敗などをしてもその事を少しでも受け入れやすくなるはずです。受け入れることができ、現状の自分自身を認めることができた時に少しはこころが楽になっていると思います。

ただ、執着する心は必ずしも良くないものではありません。物事が良い方向に進んでいる時には執着心は良いものにもなりえます。執着心を切っ掛けに物事を成し遂げられることもあります。

こころの自由を失い、自身の心を苦しめるような「執着」が少なくなるように生きていきたいものです。こころが疲れたときは、この『行雲流水』という禅語を思い浮かべて頂いても良いかもしれません。

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