日日是好日

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松無古今色

2021.11.18

みちしるべカレンダー十一月の書です。

みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。

『松無古今色』

みちしるべカレンダー(黄檗宗青年僧会発行)令和三年十一月の書です。

【書き下し】松に古今の色無し。

松は、毎年古い葉と新しい葉を代えながら常に緑を絶やさない常緑樹です。禅語の「松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)」という語もある様に、松の緑に古今の色はありません。一様の一色という平等がありますが、その中に古い葉と新しい葉という差別(区別)があります。平等の中の差別(区別)を顕した語です。

この語には、「竹に上下の節有り」という対句があります。これには、先ほどの松とは逆で「差別(区別)の中の平等」を顕しています。竹にある節が上下という差別(区別)を現わしていますが、そこには一本の同じ竹という平等が存在します。

 松と竹は、梅と共に縁起の良い植物とされ、その三つを「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と呼称されます。その「松」と「竹」を用い、「無」と「有」・「古今」と「上下」を対比させ「平等の中の差別(区別)」「差別(区別)の中の平等」を顕しています。

 この世に同じものはありません。生き物で例えるなら、犬と猫・鳥と花等。そこには、差別(区別)があり、それぞれにそれぞれの美しさがあります。その中で全てがいのちを持っているという平等の中にいます。人も人間社会も同じです。それぞれ人は平等ではありますが、その中に差別(区別)があります。絶対にこうでなくてはいけない・あれにあらないといけないなどの固定概念を持ち苦しむことがあるのなら、この世の「平等の中の差別(区別)」「差別(区別)の中の平等」に気付き、ありのままを受け入れていくことも大切なのではないでしょうか。

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