朝に裏庭に出てみると、露草(つゆくさ)の花が咲いていました。
毎年、綺麗な青色の花を咲かせてくれます。この青色は、『露草色』とも呼ばれます。
露草の花を見つけた時に写真を撮ったのですが、夕方に写真を見直すと、少しボケていました。
写真を撮り直したかったのですが、夕方にはしぼんでいました。
少し露草について調べました。
露草は朝に花が開くと昼過ぎにはしぼんでしまう、はかない花ということを知りました。
花の命は半日だそうです。そのことから、半日花と呼ばれています。
毎年何気なく見ていたのですが、まさか半日の命とは思いませんでした。
この“はかなさ”故に昔から愛され、万葉集の中でよく詠われています。
万葉集では、露草の事を『つきくさ(月草・鴨頭草)』の名で詠まれています。
読み:つきぐさの かりなるいのちにあるひとを いかにしりてか あともあわむという
意味:月草のように儚い命の人の身なのに、後に逢おうなどとどうして仰るのですか。
読み:あしたさき ゆうべはけぬるつきぐさの けぬべきこいも われはするかも
意味:朝咲いて夕方にしぼむ月草のように儚く消えてしまいそうな恋を私はしているのかも
万葉集では、人の命や恋模様などを詠んだものがありました。源氏物語のなかでも、人の心の移り変わりを露草にたとえています。
今回は、万葉集から二つ句を紹介しましたが他にも沢山詠まれていました。上でも書きましたが、この“はかなさ”が日本人に愛されてきた由縁なように感じます。
裏庭には、花をもう間もなく咲かしそうな蕾を持っている露草があります。最初に紹介しました花の写真がボケていましたので、また咲いているのを見付けましたら写真を撮り紹介したいと思います。
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