日日是好日

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弄花香衣満

2020.10.30

今月の上旬、庭に顔を出すと木犀(もくせい)の香がうっすらと漂っていました。この香は確かに木犀だと少し心を躍らせながら、花を確認すると銀木犀の白い花が枝葉の間にチラホラと咲いていました。それから十日後、今度は金木犀。濃い紅(金)色の花をまとった樹木から芳しい匂いが庭いっぱいにひろがっています。そして一週間後、二十四節気の一つ『霜降』には芳しい香りは無く、樹木の下には紅色の絨毯(じゅうたん)が出来ています。木犀の一年が終わりであり、又始まりでもあります。

全唐詩・五律にあります語を紹介します。

『弄花香衣満【花を弄(ろう)すれば香衣(かえ)に満つ】』

花をもてあそんでいる自分と花が一つになって芳しい香りを放っている、光を放っているということです。瞬時にもこの境遇に浸りたいと想います。これを継続すると自然と自己とが一つになって、垣根が取り外され、素晴らしい世界が展開されるかもしれません。

【京都宇治・宝善院】金木犀の花が落ち、オレンジ色の花の絨毯が出来ています。

昨日は、十三夜でした。秋の空は澄み切り、天体に興味のある方は夜が待ち遠しいことでしょう。東の空に月が昇り、その少し東側に赤々と輝く星『火星』です。今年の十月は満月が二昇、一日と三十一日です。一ヶ月に二回もの満月を見ることができる現象は珍しいことらしいです。

禅語に『月知明月秋 花知一様春【読み下し:月は明月の秋を知り 花は一様の春を知る】』とあります。その季節季節は移ろい諸行無常ですが、自然は時を違えないという事です。

早いもので、もう十月が終わりです。今月も水子供養・永代供養墓・普茶料理など新しいご縁を頂きました。特に水子供養では、関東など遠方よりのインターネットでのお申込みも多かった様に感じます。このご縁に感謝し、より良きものになりますよう祈念致しております。

水子供養永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
電話 0774-32-4683